古いほうから新しいほうへ! 情報構造という考え方 後編

文体

「情報構造」って何?

Hello everyone!

ご覧いただきありがとうございます。
TOEIC 実験記の Delph (デルフ) です!!

今回は「情報構造」をテーマに、
いろいろ実験していこうと思います。

セータ君
セータ君

情報構造? 聞いたことがないなぁ…


TOEIC では聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、
そんなに難しいことでもありません。


この情報構造を知っていると、
「なるほど!だからこんな英文の構造になってるんだ!」
と目からウロコが落ちる発見が次々と出てくると思います。

この「情報構造」は前半と後半に分けて投稿しますが、
今回はその後半として、やや難しめの文を取り上げて
その謎解きをしていきたいと思います。


前編の記事は下の「あわせて読みたい」から
確認できます ▼



この記事を見ると
次のようなことが分かるようになります。

  • 接続詞における「情報構造」の考え方
  • 倒置における「情報構造」の考え方


是非とも最後までご覧ください!



それでは始めていきましょう!
Now let’s start!

情報構造とは?


まずは、「情報構造」という考え方について
軽くおさらいしていきましょう。

すぐに本題のところへ入りたい方は
下のボタンから飛ぶことができます


「情報構造」というのは

情報は「旧情報」「新情報」に分かれていて、
文章における情報は 「旧情報 ➡ 新情報」 という流れになっている

という考え方でしたね。

セータ君
セータ君

たしか、「旧情報」は聞き手も知っていると予想されることで、「新情報」は聞き手は知らないと予想されることだったよね?


そうですね!

「旧情報」は文頭、「新情報」は文末に現れる
というのが英語の一般的な情報構造になっています。

情報構造の謎解き その 2

情報構造の復習が終わったところで、
情報構造を使った謎解きの続きをしていこうと思います。

接続詞

これは意外かもしれませんが、
接続詞にも情報構造の考え方があります

例文を見ていきましょう。

When I got home, the phone rang.
The phone rang when I got home.
(私が家に帰ってきたとき、電話が鳴った)


よくある接続詞の使い方ですね!

「主節と従属節の順番を入れ替えても同じ意味になる」というのも
よく見聞きするのではないでしょうか?

ただ、これも「情報構造」という考え方を使うと
ニュアンスが違っていたりします。

その違いは、前回紹介した
「第四文型から第三文型の書き換え」と
同じような感じと思えば問題ありません。

セータ君
セータ君

それじゃあ、どう違ってくるの?


まずは最初の文から見ていきましょう。

When I got home, the phone rang.


接続詞の場合は「節単位」で
旧情報・新情報を見ていきます。

セータ君
セータ君

この場合は when I got home が旧情報で、 the phone rang が新情報になるのかな?


そうですね! 

the phone rang が新情報なので
「電話が鳴った」という事に情報の重点が置かれています

普段訳している通り「私が家に帰ってきたとき、電話が鳴った」
で問題ありません。


それに対し、その次の文はどうなるのでしょうか?

The phone rang when I got home.


セータ君
セータ君

今度は the phone rang が旧情報で、 when I got home が新情報になるのかな?


その通りです!

when I got home が新情報なので、
「私が家に着いた」という事に情報の重点が置かれています

この場合は、
「電話が鳴ったのは、私が家に着いた時だった」
といった訳し方をすると
情報の重点が正しく置かれている感じになります。

理由を表す接続詞

「理由」を表す接続詞も例外に漏れず
この「情報構造」という考え方につながってきます。


セータ君
セータ君

それって、 because, since, as があったよね?



そうですね!


【TOEIC リサーチラボノート 11】because, since, as
の記事にも記載しましたが、そのまとめを貼っておきます。

理由を伝えるとき、その内容が相手にとって把握しているかしていないかによって、because, since, as を使い分ける。

  • as/since : 充分に把握していている(旧情報)
    ※ as の方がフォーマル
  • because : 把握していない(新情報)


これらを統合すると

as, since は旧情報の理由を伝えるので文頭に置かれ、
because は新情報の理由を伝えるので主節の後に置かれる


といった感じになるでしょうか。

セータ君
セータ君

なるほど! 理由を表す接続詞の使い分けは、「情報構造」で見ればスッキリするね!


倒置

最後に、倒置を見ていきましょう。

倒置にもいろいろありますが、
ここでは TOEIC で時折見かける文を
紹介していこうと思います。

Attached is the monthly report from July.
(添付されているのは 7 月分の月次レポートです)

Enclosed is the brochure you requested.
(同封されているのはご依頼したパンフレットです)


セータ君
セータ君

えっ!? こんな構文見たことないよ!?


これはビジネスの E メールで時折登場しますが、
知らないとビックリしてしまう文です。


元の文はそれぞれ、

The monthly report from July is attached.
(7 月分の月次レポートが添付されています)

The brochure you requested is enclosed.
(ご依頼したパンフレットが同封されています)


となっています。

いずれも SVC の構文ですが、
SVC の C が文頭に持っていかれて
V と S がひっくり返った CVS 倒置のパターン
ですね。


セータ君
セータ君

attached と enclosed は過去分詞なの?


確かに、構造的にも意味的にも受動態のように見えますが
ここでは過去分詞の形をした「形容詞」と見たほうが良いと思います。

実際、attached は「添付された」、enclosed は「同封された」
という形容詞の意味があります。


では、これらを「情報構造」の観点から見ると
どうなるのでしょうか?


これから相手に渡すものがある時を考えてみましょう。


自分の場合は渡すものは何か分かっているはずですが、
相手の立場からすると、どんなものが渡されるのかは
実際に渡されて中身を確認するまでは全く知らない
はずです。

という事は、相手にとって
これから渡されるものは「新情報」
になるはずです。

そんな全く知らない状況にもかかわらず、
分かっている前提で添付されているものや
同封されているものを言っても

相手はビックリしてしまうのではないでしょうか?

というわけで、相手が知らない「新情報」を
文末に持っていった結果

Attached is ~
Enclosed is ~

のような倒置が起こったのではないかと思っています。


難しそうなイメージのある倒置ですが、

「情報構造」の観点から見ると
どれにスポットを当てて言っているのか
分かるようになってきませんか?


「強調したいことや言いたいことを最後に持っていく」というやり方は
英語でも日本語でも同じなのは面白いですね!

おわりに

今回は「情報構造」について
見ていきました。

この情報構造という考え方は参考書にはあまり載っていないので、
知らないというのが大半ではないでしょうか?

ただ、この情報構造の考え方によって
今まで何となくで覚えていてモヤっとしていたものに
納得がいくものがあったのではないでしょうか?

少しずつでもいいので、この「情報構造」という考え方を取り入れて
文字だけではないニュアンスも捉えられるようにしてくださいね!

「勉強になった!」
「役に立った!」
「疑問が解決してスッキリした!」
…etc

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それでは、今回はここまで!
See you next time !
Bye-bye!

セータ君
セータ君

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